ことです。
3年前からモーニングページを書いていますが、思考の流れるまま書き出すだけでなく、さらに思考を深め、行動に移す方法はないかと考えるようになりました。
(モーニングページ:朝に頭の中の思考をノートに書き出すこと)
そして本書『インド式「グルノート」の秘密』を読んだことで、これはモーニングページと併用するといいのではないかと考えるようになりました。
グルノートではノートを四分割して、①ネガティブなこと、②理想、③理想が叶った時の感情、④理想を叶えるための行動を書きます。
問題とその解決策だけでなく、理想とその時の感情を書き出すことで、悩み解決のための単なるTO DOが、血の通ったTO DOになり、私の理想ってこういうものだったんだ、という気づきを得ることができました。
そしてその気づきこそが、苦しみを癒す唯一の方法であり、そのための立ち止まる時間の確保の重要性について、本書から学んだことを紹介させてください。
苦しんでいるか、美しいか。
この本では、仕事も家庭も八方ふさがりになり自己投資に1億5千万円投じてきた著者が、救いを求めてインドに行き、グルから学んだことを紹介してくれています。
著者が会いに行ったグルは、インドの奥地で世界的リーダーに指導している人です。
(グルとは、サンスクリット語で指導者、教師、導師、尊敬すべき人物という意味)
俗世から離れたことを指導されるのかと思いきや、グルは「生きている限り欲はある。そして物を求める。ただ、良い状態から、それを求めることが大切」と言います。
状態とは「苦しんでいるか、美しいか」。
私たちは一瞬一瞬をどちらかの状態で生きているとのこと。
そしてどちらの状態で多くの時間を生きているかによって、幸せな人生と感じたり、不幸な人生と感じたりするのです。
けれども現在は、忙しさから自分が何を思考しているのか、どういう状態か、わかっていない人があまりに多いそうです。
そんな思考から感情が生まれ、気分が生まれる。その気分で毎日を衝動的に行動するだけでは、なかなか幸せにはなれません。
思考は身体を動かしながらだと観察しづらいので、立ち止まる必要があります。
そして立ち止まる時にだけ「新生」が起きる。
けれど、多くの人が止まらずに働き続け、混沌・絶望・病に向かって無意識に歩いているというのです。
私も、自分がどういう状態かわからずにいました。
そんな中「苦しいか、美しいか」のどちらかの状態で生きている、と言う言葉にハッとしました。
「幸せ」の定義が様々で、どういうすれば幸せになれるのか悩んでいましたが「美しい状態を積み重ねていく意識を持つ」という、これまでと違った視点を得ることができました。
苦しみは、立ち止まって本質を見るだけで消えていく。
一日の中で、何もしない時間を作ったことはありますか?
瞑想、マインドフルネスとも言われていますが、ただ座って目を閉じて、何も考えないことが難しく、色々な方法が提唱されていますよね。
グルの言う「新生」が起きるのはこのように立ち止まっている時ですが、ノートに書き出すことで頭の中を整理することも、瞑想になるそうです。(最近は書く瞑想、ジャーナリングとも言われているようです)
グルノートの方法は簡単です。ページを縦と横の中心から線を引いて、四分割にします。
そして、4つのスペースにそれぞれ書き出します。
①チッタ(右上)
自分の内面の苦しみの感情:自分にとってネガティブなこと、気になっていること
(例 朝から疲れている)
②ディバイン(右下)
その日一日をどのように過ごしたいか、理想:叶ってほしいこと、理想の一日
(例 もっと元気に働ける)
③ディクシャ(左上)
理想が叶った時の感情:②の理想が叶った時に、どう感じるか
(例 自分らしくナチュラルに生きて、楽しく仕事したい)
④スワダルマ(左下)
感情を味わいながらできる行動:理想を叶えるために、③の感情を味わいながらできる行動
(例 睡眠時間を確保する、ヨガをする)
このように4つの視点でノートに書くことによって、気づきと成長のためのヒントを得られるようになります。
そして苦しみは、立ち止まって、気付いて、本質を見るようにしてくと消えていくのです。
すると、グルの言う「最高の癒しとは気づきと成長」という状態になり、美しい状態で自分らしく生きていくことができるようになります。
そのためには、立ち止まる時間を意識的に作っていく必要があります。
あなたのスケジュール帳は、やることリストだらけになっていませんか?
自分のための時間、休む時間はありますか?
『人生では、まず立ち止まる時間、休む時間、楽しむ時間を先に取る』ように意識してみてはどうでしょうか。
「忙しい」から、毎日同じような思考、行動の繰り返し。
「忙しい」から、意識しなければ、その先の人生を考える機会を得にくいと感じます。
人生100年時代、もっと「立ち止まること」を許容する社会になればいいと思いますが、今走り続けている人には理想論に感じてしまうこともわかります。
そんな時は、毎日の食事やお風呂等の時に、意識的にホッとしたり、ぼんやりして、「自分のための時間を過ごしている」と認識することをお薦めします。
まとめ:人は見たいものしか見ていない。何を見たい?
毎日モーニングページで自分の思考を書き出すことで、スッキリすると感じていましたが、同じような思考を繰り返しているな、とも感じていました。
その思考をうまく行動に移行させて現状を変えるにはどうすればいいか、悩んでいました。
本書を読むことで、悩みとその解決策を書き出すだけでなく、「理想の状態」「理想の感情」も併せて考えることで、悩み解決のための単なTO DOが、血の通ったTO DOになり、私の理想ってこういうものだったんだ、という気づきを得ることができました。
カラーバス効果をご存じですか?
(ある特定のことを意識すると、その特定の情報が自然と目に留まりやすくなる現象。例 赤い色を意識すると、赤いバス等、これまで気にしていなかったものが目に留まるようになる)
人は見たいと思うものしか見えないし、見ていない。それなら、私は理想の美しい状態を意識したいと思うようになりました。
ネガティブなことばかり考えて、あれができない、自分はダメだ、と思っていたらそのような情報が目に留まってしまい、さらに落ち込んでしまうだけです。
実は、モーニングページでそのようなネガティブスパイラルに一部陥っていた実感があるので、今回グルノートで「理想の美しい状態を意識する」ようになったことは、大きな変化だと感じています。
なので、今後は頭をスッキリさせるためにモーニングページに思考を書き出す、グルノートで理想の美しい状態を書き出すことを習慣にしたいと思いました。
本書は優しい言葉で書かれているので大変読みやすいのですが、まるで絵本のように書いてあることは奥深いと感じました。
また、グルが話してくれた賢い農家の話もとても印象的でした。
賢い農家は、一度植えた種を心配や不安から掘り返したりはしません。
『インド式「グルノート」の秘密』佐野直樹
賢い農家は、風や天気が成長に影響を与えることを認識しています。
だから、それらに対しての準備をしています。
賢い農家は、栄養が成長に必要なことを認識しています。
賢い農家は、成長には時間が必要なことを認識しています。
私たちの意識は種。種を植えた後は、育てる必要があります。
この他にも印象的なお話が記載されていますので、ぜひ本を手に取り、立ち止まることを考えるきっかけにしていただけると嬉しいです。
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