" /> 30代で正社員を辞めて一年。内省で“自分がわからない”に取り組んだ記録(後編)

30代で正社員を辞めて一年。内省で“自分がわからない”に取り組んだ記録(後編)

こころ

前編はこちら
30代半ばで、10年以上務めた仕事を退職してから一年。
仕事を優先しすぎた結果、自分の体調も感情も、わからなくなってしまいました。
そんな中、手帳やノートを使って「観察・内省・改善」を繰り返し、半年ほどかけてようやく「自分の輪郭」が見えてきました。

そして、たくさん休んでも回復しなかった理由
そもそもなぜ、自分の体調や感情がわからなくなっていたのか。
自分に向き合い続ける中で、ようやく見えてきたことがあります。

もし今、「どうしてこんなにしんどいんだろう」と感じている方がいたら、この1年の試行錯誤が何かの参考になるかもしれません。

秋:ノートで内省、ようやく「自分の輪郭」が見えてきた

なかなか抜けない自責が、自分を苦しめる原因ではないかと考え、「自分を知る」ためにたくさんのノート術を試して内省を始めました。

モーニングページ、バレットジャーナル、グルノート、一人合宿、振り返りノート習慣、セカンドブレイン…。
「良さそう」と思ったものはとにかく試してみました。

本やYouTube、SNSなどで調べていくうちに、バーチカル手帳だけでなく8冊ほどの手帳とノートを使うように。
(学生時代にノートや筆記用具が好きだったことを思い出し、しばらく文房具を求めてLoftや東急ハンズに通いました。ほぼ日手帳を複数買ったりと、文房具愛が再熱。自分が何を好きなのかわからない状態だったので、ハマれるものを見つけられて嬉しかったです。)

たくさんのノートに書き出していくうちに、表面的なことだけでなく、繰り返し出てくる自分の感情や思考パターンが見えてくるようになりました。

その頃から、「自分の感じたこと」に少しずつ自信が持てるようになり、ふと目に入ったパーソナルジムに通い始めたり、実用書だけでなくピンときたエッセイや小説を手に取るようになりました。

これまでは自分の感情がわからず、「自分の判断軸」が持てなかったために、いつも「客観的なデータ」に頼っていました。
だからこそ、これは自分にとって本当に大きな変化でした。

ずっと探していた「自分の輪郭」が少しずつ詳細に浮かび上がってきて、自分の興味・好き・苦手が「感じられる」ようになってきたのです。

こと
こと

(今の視点で考えると)
自分の感情を「感じられる」ようになった時の安堵感はとても大きかったです。
「私も感じていいんだ」と世界が明るくなったように思いました。
何に心が動くのか、自分に問えばいいのです。
「あれがいい」「これがいい」という外部の情報に振り回されずに、自分に必要な情報を取捨選択できるようになり、ずいぶん楽になりました。

冬:メタ思考と境界線。「疲れた理由」を別の視点から理解できた

このころから、目の前のことに夢中になるあまり、大きな目的を見失いやすい」という自分の癖に気付くようになりました。

例えば、初対面の人に対して「この人は何が言いたいんだろう?」とつい深く聞いてしまう。
学びはあるけれど、どっと疲れてしまうのです。

内省を続けていたことで、「目的を考えずにハマり込んで疲れる」というパターンを繰り返していると気付きました。

そこで、「これは何のためにやるの?」と一旦立ち止まって考えるように。
メタ思考で視点を上げて、目的を意識するように心がけました。
最初はうまくいかずとも、毎日のノートで振り返りをすることで、少しずつ変わっていきました。
(その中で、「話を聞くかどうかの判断は10秒で決める」等、自分なりにルールを作って意識付けを工夫してみたりもしました。)

そして、メタ思考を意識して過ごすうちに、ふと私はなぜ、意志力を使い果たしてしまうほどに疲れて退職したのか」という問いが浮かび、これまでと違う視点で考えるようになりました。

これまでは「身体は限界なのに意志力でなんとかしようとしていたから」と考えていたのですが、もっと根本的な原因に気付いたのです。
それは「自分の仕事だけでなく、他人の仕事まで勝手に背負っていた」ということ。

他者との境界線があいまいで、そもそも「境界」を認識していなかったのです。
「状況が良くなるから」と、他人の仕事やご機嫌を取ることまで、自分の仕事のように背負っていたのです。
気付けば、一人で「状況」そのものを変えようとしていたのでした。

それでは、いくらエネルギーがあっても足りません。

さらに私は「状況の改善」を無意識に、自分にとって大切なはずの感情・体調・時間よりも優先してしまう癖があることにも気付きました。
つまり
・他者との健全な境界線が引けていない
・「状況の改善」を自分の感情や体調より優先してしまう

この2つが組み合わさって、自分一人ではどうにもならないゴールに向かって、一人で突き進むことで、疲れていたのです。

自分の領域を超えて、他者の領域に土足で踏み込んでいたことを思い出し、恥ずかしくなりました。
自分よりも「状況の改善」を優先して、自分の感情・体調・時間、幸せになるために必要なもの全てを蔑ろにしていたことに、ようやく気付くことができました。
そして、そんな価値観を持っている自分を、哀れに思いました。

でも、それに気づくことができた
過去の哀れな自分を直視することは辛いけれど、自分がどういう人間であるかの輪郭をようやく「掴めた」と、嬉しく感じました。

こと
こと

(今の視点で考えると)
哀れな自分に気付いた時、とても悲しく思いました。
同時に、癖となっている「自分の考え方」が原因であるならば、時間がかかっても癖は変えられるはず、と希望も持ちました。
そうして1年かけて自分の輪郭を掴めたと感じたこの頃から、自然と自分に優しくなりました。
体調に振り回される自分にも、根強い自責癖が抜けない自分にも「まあ、ゆっくりやっていこうよ」と思えるように。
そしてそれで、あなたはどうしたい?」自分の意志確認して、尊重できるようになりました。

まとめ:私を苦しめていたのは、私自身だった。

状況の改善を優先し、成果を求めて自分を蔑ろにした結果、身体と心は崩れました。
「休む時間ができた」だけでは回復できなかったのは、いつからかわからないほど長い間、自分に対して「セルフパワハラ」をしていたから。

これ以上は、パワハラを重ねても捻り出せるものなどなかったのです。

だから私は、自分との関係を一から構築し直すしかありませんでした。
現状を知るために、行動と感情を時間軸で観察する。
パターンを分析し、体調が思考に大きく影響していることを理解する。

一年かけてようやく、「今の私」の輪郭が見えてきました。
過去を変えることはできないけれど、現在と未来の自分が笑顔でいられるようにしたい。
そのために必要な「自分の輪郭」を、私はもう掴んでいる

やっと、「今の私」と尊重し合える関係が始まりました。

これまで取り組んできたこと、内省したこと、そして日々考えていること。
それらを、過去の私と、今の私のために、綴っていこうと思います。

「自分を大切にしたいけれど、方法がわからない」
「自分の癖や思考パターンに苦しんでいる」

そんな方にとって、私の記録が少しでも参考になれば幸いです。

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