ことです。
退職して自分の時間を持つことができ、自分が何を感じているのか、何をしたいと思っているのか、だんだんと見えてくるようになりました。
そして「あなたのやりたいことは?」に「私のやりたことはこれです」と自信を持って答えられるようになりたいし、その内容をもっと明確化したいと思いました。
自己理解についての本を読んでも、なかなかコレというものを見つけられなかったのですが、以前挑戦したけど挫折した『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』にもう一度挑戦することで、あっさりと言語化でき拍子抜けしました。
この本では、やりたいことを見つけるには「大事なこと(価値観)→得意なこと(才能)→好きなこと(情熱)」の順が必要と明確に示してあり、これまで読んだ他の自己理解本とは異なり体系立てて説明されています。
また、その説明・ワークもわかりやすく、巻末にある得意のリストも単なる単語の羅列でなく長所使い・短所使いした場合が簡潔に書かれてあり、やりたいことを仮説でも一旦決めて、考えることよりも大切な行動に早く移せるように支援してくれる本だと思いました。
「やりたいこと」が分からないのは、選択肢が多すぎるから
社会が複雑化・多様化している今、「やりたいこと」の選択肢が多いことに戸惑い、私と同じように悩み続ける人もいると思います。
ジャムの法則で知られているように、人は選択肢が多いと「選択しない」という選択をしてしまいます。
つまり迷うだけ迷って選択しないことで、結果「迷って行動しない」のです。
これはすごくもったいないことですよね。私も、迷って疲れて、でも何を行動したらいいかわからず迷う、を繰り返していました。
そして、やりたいことを見つけるには次の「5つの間違い」を取り除かなければ見つかりません。
一生続けられることでなければいけない | 今一番やりたいことをやればいい |
やりたいことを見つけた時には運命的な感覚がある | やりたいことを見つけても最初は興味レベル |
人のためになることじゃないといけない | 自分のために生きることが人のためにもなる |
見つけるには行動するしかない | 見つけるには自己理解するしかない |
やりたいことが仕事にならない | 実現手段は社会の中にある |
社会からの「どうすべきか」ではなく、自分の「どうしたいか」で選ばないと、今後も変化し続ける社会に流され続けてしまう、という言葉にドキッとしました。
安定、給料が良い、とメリットで選んでも、そのメリットが10年後も存在するとは限らないからこそ、自分の気持ちで選ぶべき、というのです。
やりたいことは直観ではなく論理的に見つけ出せる
やりたいことは、運命的に見つけるものではなく最初は興味レベルであるからこそ、直観ではなく論理的に3つのピースを順番に明確にして組み合わせると見つかります。
①大事なこと(価値観)
・ずっと進み続ける人生の方向(目標とは、その途中にあるチェックポイント)
・自分が「こう生きたい」という人生の目的と、「人にこんな影響を与えたい」という仕事の目的が繋がっていると、モチベーション低下の心配をすることがなくなる
②得意なこと(才能)
・成果を出すために使える無意識の思考・感情・行動パターン
・得意はクセでしかない、そのクセをどう認識するかで長所にも短所にもなる
(例 慎重:長所 ミスをしない、短所 仕事のスピードが遅い)
③好きなこと(情熱)
・興味・関心を感じる分野(なんで?どうして?と自然に考えてしまう)
・好きな分野を仕事に選ぶ時に、具体的に得意を活かせなければ失敗する
(例 野球が好きで野球メーカーの販売職になったが、野球をプレイすることが好きで販売することは好きではなかった)
仕事とは「商い」。
つまり、自分が飽きないやりたいことで、どうやって人を楽しませることができるか考えることが、本当の仕事というもの。
そして、私が一番わかっていなかったのが、得意なこと。
自分のクセがわからず、ただみんなと同じようにできなければと、できないことにばかり焦点を当てていました。
著者の言葉を借りれば「自分が魚であることに気づかずに空を飛ぶ練習をしてしまっているような状態」でした。そもそも、魚が何をどう努力しても、飛ぶことで鳥には敵わない。けれど、泳ぐことでは努力せずに勝てるのです。
そのためには自分のクセを知ることが必要ですし、そのクセは自分が「短所」と認識していたことから知ることができました。(巻末資料がおすすめです)
経営学者のピータードラッカーは「強みのみが成果を生む。弱みはたかだか頭痛を生むくらいである。しかも弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。強みを生かすことにエネルギーを費やさなくてはならない」と言っています。
全くその通り。
私は成果が欲しいと思いながら、強みにではなく弱みの頭痛を治すためにどれだけのエネルギーを浪費していたのかと、苦笑しか出ませんでした。
「将来のため」に生きるのをやめて、やりたいことを一旦決めよう
3つのピースを組み合わせた時、私も「あ、私のやりたいことはこれだったの?」と、まさしく「運命ではなく興味レベル」と感じました。
これまで「やりたいこと」が見つからなかったからこそ「他にあるかも」、とまた「迷って行動しない」ことに、著者は厳しくも優しく指摘してくれます。
あなたが今「やりたいこと」が分からずに迷走しているとしたら、それは自分と向き合うのをずっと先延ばしにしてきたからです。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』八木 仁平
「まずは役に立ちそうなことを勉強して、それから『やりたいこと』が見つかったらいいな」と考えているからです。
(中略)
将来のために生きるよりも、今一番やりたいことに本気で向き合っているうちに、ずっとあなたは成長します。
そしてもっと「やりたいこと」が見つかった時には、その成長した自分で挑戦することができます。
あなたがやるべきことは、今一番やりたいことをここで決めることです。
自分と向き合ってなんとか見つけた「やりたいこと」を、ピンとこないからと、メリットがありそうな役立つであろう勉強に時間を費やそうとしていたら、これまでと同じことの繰り返しです。
なので、一旦「やりたいこと」は「仮説」でいいのです。
仮説を立てて、行動し、振り返って次に活かす。そうしてブラッシュアップしていけばいいから、とりあえず「私のやりたいことはこれ」と決めてみましょう。
また、自己理解の技術があればこれまでの「失敗」も「後悔」も、全てを学びに変えることができるようになります。
そして著者は「一番楽しいのは自己理解を終わらせた後の人生で、自分らしく夢中に生きることができたら成功なのだから、できるだけ早くやりたいこと探しから『脱出』して『夢中な自分』を手に入れてほしい」と伝えています。
まとめ:成果が欲しければ、強みを活かす仮説と行動を。
改めて、私が「やりたいこと」を見つけたかったのはなぜだろう、と考えた時に、それは後悔のない幸せな人生を送りたいからだと思いました。
そして、行動しなければ、良くて現状維持しかない。
それが嫌だからこそ、今回この本を読んで見つけた「興味レベル」に感じる「やりたいこと」を一旦やってみようと思いました。
あくまでも仮説だから、行動していくうちに別の大事なこと、得意なこと、好きなことが見えてきたら、その時にまた考えるようにします。
この本は3年前にも読んだのですが、その時はワークをしてもなかなか言語化できずに、3つのピースを揃えること、組み合わせることができずにいました。
けれど、自分を大切にしようと退職して時間を確保して、疲れたら休む・ジムに行く等、自分の身体を大切にしたり、感情ログで自分の気持ちを確認する時間を持つようにしたりすることで、以前は言語化できなかった「やりたいこと」をあっさり見つけることができました。
そしてその見つかったことは、3年前から私の中にあったものだとも感じました。
なので、一度で「やりたいこと」が見つからないこともあると思いますが、そんな時はぜひ巻末の「得意のリスト」を見ていただきたいと思います。
自分の短所だと悩んでいたことが、単なるクセで、長所使いすることもできるとわかりやすく記載されているからです。
物事は捉え方次第。
それがよくわかる気づきの多いリストになりますので、ぜひ本を手に取り、自分の嫌いなところに優しい眼差しを向けるきっかけにしていただけると嬉しいです。
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